お知らせ
令和4年06月17日
重要文化財「文華殿」保存修理事業について
■「文華殿」とは
「文華殿」は、織田信長の弟、織田長益(有楽斎)の五男・尚長を藩祖とする柳本藩の陣屋御殿のうち、大書院及び玄関が移築されたものです。
陣屋御殿は文政13年(1830)に一度焼失し、現在の建物は天保15年(1844)に再建された時のものです。
明治10年(1877)4月以降は、柳本小学校の校舎として使用されており、小学校校舎の改築計画に伴い撤去されることとなりましたが、昭和39年11月に橿原神宮へ奉納され復元保存が実現しました。
その後、修復工事が竣工された昭和42年に重要文化財に指定されました。
(指定名称:重要文化財旧織田屋形大書院・玄関)
■保存修理事業について
〈事業期間〉令和2年6月1日~令和8年3月31日
この度、建物に屋根瓦のずれや破損、軒先の部材には雨漏りによる腐朽、床には礎石の不同沈下によるものとみられる不陸が生じるなど、保存に支障が出てきたことから、保存修理を奈良県に委託し、令和2年から6年間に及び工事が進められています。
柳本藩の陣屋御殿である「文華殿」は、天保15年(1844)の建立より170年以上経ち、江戸時代の大名御殿がほとんど失われた今日、御殿で最も重要な部分である表向き御殿の遺構として、大変貴重なものと評価されています。
この貴重な文化財や境内の豊かな杜を後世まで受け継ぎ、御参拝いただく皆様が清々しい気持ちで安心・安全にお参りいただくため境内特別整備事業を執り進めております。
今後も各工程での記者発表や特別公開などを含め、重要文化財「文華殿」の新たな発見や保存修理の過程について情報発信をして参ります。