お知らせ

平成29年06月10日

束の間の晴れ間に梅雨の揚花火(第5回嵯峨御流いけばな紹介)

いよいよ6月に突入し、境将甫氏のいけばな紹介も第5回目を迎えました。

今回のいけばなは、梅雨の時期にふさわしい淡い色彩を放つ花々が用いられております。 様式は「瓶花(へいか)」、花材は「紫陽花(あじさい)・茴香(ういきょう)・七竈(ななかまど)」の三種です。

花材の名前は一度は皆様も耳にしたことがあるかと思いますが、漢字で表すと同じ植物でもまた違った印象を受けます。

左:茴香(ういきょう)/右:紫陽花(あじさい)

今回のいけばなは、梅雨が到来した初夏の晴れ間に風を受け、木陰に色づく柔らかな作風となっております。

また、白い花器が花火の尺玉のように、そして主役の花材が揚花火のように見受けられます。

梅雨の合間の青空に心が浮き立つ季節となってまいりました。
長雨の中で、淡くも力いっぱい咲くこのいけばなに心癒やして頂ければと思います。

(嵯峨御流 境将甫氏WEBサイト:蓮林

平成29年05月31日

陽にこもる初夏の馬酔木(第4回嵯峨御流いけばな紹介)

今回の境将甫氏のいけばなは、「馬酔木(あせび)」というツツジ科の常緑樹を花材として用いられました。 

 「あせび」は「馬酔木」と書くように、馬がこの葉を食べると酔ったように体が痺れるところから由来されてます。また、葉を煎じると殺虫剤や皮膚病薬にも使えるそうです。 葉の表面はつやがあり、枝先に集まって新葉が生えるのが特徴で、光に照らされると深緑の色が際立って見えます。

様式は前回同様の「生花(せいか)」を応用したもので、「二管筒」という高さの異なる花器を取り入れました。

和合する馬酔木と背景のシンプルな組み合わせながらも初夏のみずみずしい森の空気を感じる作品です。

ご参拝の折には是非ともこのみずみずしい小さな初夏を感じて頂けたらと思います。

(嵯峨御流 境将甫氏WEBサイト:蓮林

平成29年05月16日

温む水面に極楽鳥花(第3回 嵯峨御流いけばな紹介)

少し前まで感じていた朝晩の寒さも、今では過ごしやすくなり、水や川の流れる色からも暖かさが感じられるようになりました。

今回の境将甫氏のいけばなは南国の花を取り入れた作品です。 花材はストレチアというもので、別名極楽鳥花と呼称されております。  別名の通り、色鮮やかで壮麗な極楽鳥の頭に似た花の形が特徴的です。 様式は「生花(せいか)」という型で、植物の自然の出生を踏まえながら秩序ある姿形を仕立て、生ける技法です。

又、足元の花器を濃い青色にすることで、橙色のストレチアが下から照らされ、全体的にまとまりのある非常に引き締まった作風となっております。

花と器の色合いが響き合った大変美しい作品を是非御覧下さい。

(嵯峨御流 境将甫氏WEBサイト:蓮林

平成29年05月15日

初鮎奉献祭

5月12日(金)に初鮎奉献祭が執り行われました。

岐阜県・長良川で毎年5月中旬に鵜飼開きが行われます。
毎年、その際に捕れた初鮎を皇室に献上し、神武天皇をお奉りする橿原神宮にも奉献されます。
当日は鵜匠の使者として岐阜県のボーイスカウト役員が初鮎を持参されました。

奉献祭にて初鮎を御神前にお供えし、今年の漁の安全と、豊漁を祈りました。

神武天皇は東遷の際に戦の勝敗を鮎で占われました。また、鵜飼の先祖である「苞苴擔の子(にえもつのこ)」は吉野巡幸中の神武天皇に会い、自ら従ったと伝えられています。 鵜が取った鮎は「歯形の鮎」と呼ばれ、鵜のクチバシの後が付いています。
長良川の鵜飼漁の技術は平成27年3月に国の重要無形文化財に指定され、今年も10月中旬まで行われます。       

平成29年05月06日

有楽流献茶祭

5月5日(金)有楽流宗家 織田 宗裕(おだ そうゆう)氏奉仕による献茶祭を斎行しました。

祭典中、織田 宗裕氏が濃茶と薄茶を点て、祭員がご神前にお供えしました。

有楽流は織田 信長の実弟、織田 長益(おだながます)に始まる茶道の流派の一つです。
織田 長益は千利休に師事し有楽斎如庵(うらくさいじょあん)と号しました。
織田 宗裕氏は17代目宗家。

織田 宗裕氏は
「神前では真っ直ぐな気持ちで奉仕をし、奉仕をしたあとは清々しい気持ちになる。」 と述べられました。

献茶祭後は、文華殿(織田家旧柳本藩邸の表向御殿)にて拝服席を設けお茶を振る舞われました。また、当日は表千家、裏千家も拝服席を設け境内地は終日賑わいました。