お知らせ
平成29年12月10日
葉蘭で始まり葉蘭で終わる(第9回嵯峨御流いけばな紹介)
今年も残すところ二十日あまりとなりました。皆様におかれましては、どのような一年であったでしょうか。
今回、ご紹介させていただく境将甫氏のいけばなは、「葉蘭(はらん)13枚生け」という生け方で、葉蘭のみの花材で潔く生けられた作品です。 様式は、生花(せいか)。花材は、緑濃く色づく葉蘭(はらん)で、花器は、孔雀の彫りが施された金属製の薄端(うすばた)花器。
これまでの境将甫氏のいけばな紹介で、「生花」のいけばなを数回ご紹介させていただきましたが、葉蘭を用いることは、生花の様式の中でも基本であり広く知られる様式だそうです。
境氏はこの作品を生けながら、「生花は葉蘭で始まり葉蘭で終わる」と話されております。その真意は、葉蘭は基礎から応用まで習得できる花材であるからだそうです。
葉蘭は軸が細く、花器に留めるのが難しい花材です。一本一本の葉蘭の葉先に向かう線の美しさを生かしながら、端正な美しさを表現しているのが、この作品の魅力です。
本格的な寒さが続き、夜空に見える星が美しく感じる今日この頃、社務所大玄関にて力強い花姿を見せております。
(嵯峨御流 境将甫氏WEBサイト:蓮林)