お知らせ
平成29年06月26日
体用想応(第6回嵯峨御流いけばな紹介)
この時期らしい蒸し暑い気候が続き、橿原神宮を訪れる参拝者の方々も半袖姿の方が多く見受けられるようになりました。
今回御紹介する境将甫氏のいけばなは遊び心を持った作品に仕上がっております。 様式は「生花」を応用した型で『体用想応(たいようそうおう)』といい、格を保ちながらも、あえて格から遠ざかった生け方のことを指します。
嵯峨御流の生け方を守った上で、空間に変化を与える生け方が施されております。
花材は、
➀一番上に無数に伸びているドウダンツツジ
➁球体状に花をつける紫のギガンジューム
➂ピンク色のユリ
➃ユリの足元にあしらったゴッドセフィアーナ
➄先に細長く伸びるニューサイラン
の五種です。
ギガンジュームは別名”花葱”といい、タマネギの花と瓜二つの形をしております。また、ニューサイランはニュージーランドの花で、ニュージーランドを漢字表記すると「新西蘭」と書きます。この「新」を英語に直し、「西蘭」を日本語で呼んだことから「ニューサイラン」という酒語を利かせた名前となったそうです。
「華道」の様々な約束事の中に遊び心を取り入れることで、空間を活かした迫力のある作風となっております。
空間に合わせた生け方を五感で感じられるのもいけばなの趣かと思います。
(嵯峨御流 境将甫氏WEBサイト:蓮林)