お知らせ

令和3年08月04日

橿原神宮 林間学園 について

 橿原神宮では、例年8月1日より5日間にわたって林間学園を開催しています。
しかしながら、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大により、残念ながら昨年に続き本年も開催を見合わせることになりました。
令和元年(2019年)に第70回を迎えた歴史ある林間学園の雰囲気を少しでも感じてもらえるよう、各教室の様子や林間学園のこれまでのあゆみをご紹介します。

 

 記念すべき第1回目の林間学園は、どのようなものだったのでしょうか?

 

 林間学園では科学・歴史・図工・音楽の中から参加者のみなさんが選んだ教室で学ぶことができます。ほかにも、参加者全員での総合学習もあります。

 

令和3年07月13日

林間学園のあゆみ

 第1回目の橿原神宮 林間学園は、昭和24年(1949年)の8月8日から13日までの6日間開催されました。参加人数は45名、小学5年生から中学2年生を対象に、橿原神宮の杜の中に机や椅子、黒板をならべて行われました。戦後の混迷の世相の中、当時の子どもたちの心を本当に美しくし、よろこばせ、心身共にすこやかで研究心や学習力の強い良い子に育て、一生忘れる事の出来ない、なつかしい楽しい思い出となる事を志し、林間学園の学習内容は計画されました。 なお、当時の参加を呼びかけるチラシには、「将来の日本を建設する重い責任を負っている児童たちに是非必要な教養は英語の会話である」と記されており、林間学園の修了証にも「英会話を中心とした夏季林間学園」という文言もあり、英語学習熱が高まりを見せる当時の社会情勢を反映していたことがうかがえます。
 その英会話学習の授業は午前中に行われ、簡単な単語やあいさつ、「キラキラ星」など英語の歌を習うといった内容であったそうです。午後には童話、ダンス、畝傍登山が行われたほか、子どもたちの健康面を考え健康診断も行われました。そして、最終日の夜には今でいうスライド映像のような「幻燈」の上映も行われ、
子どもたちの五感に働きかける充実した学習内容であったようです。
 英会話を中心とした林間学園の教育は第8回まで続けられ、昭和33年の第9回からは理科・社会・図工・音楽・合同学習という内容に変更され現在に至ります。
学習内容は時代とともに改善され、読書の指導や歴史講話、工場や博物館見学などが加えられ、
近年では救命講習なども実施されています。

令和3年07月13日

総合学習

 総合学習では、橿原神宮の神主さんによる雅楽の演奏や、巫女さんによる神楽舞を鑑賞します。
また、橿原神宮の広い杜の中でのオリエンテーリングや畝傍登山など、橿原神宮ならではのさまざま様々な体験ができます。
※天気により野外での活動を制限する場合があります。

 

令和3年07月13日

科学教室

 科学教室では、橿原神宮の杜の中を散策しながら生き物の生態について学びます。
また、植物の「葉脈標本作り」やミツバチが巣を作るために使うミツロウでの「ロウソク作り」も行います。
ほかにも実験や天文・気象・音の仕組みについても学びます。
※状況によりミツロウがとれない時は、ロウソク作りができない場合があります。

 

令和3年07月13日

科学教室 授業内容

この授業では主にミツバチと人との関係についてとり上げます。昔から人間はミツバチのめぐみを受けてきました。ミツバチはどのような昆虫なのか、人はどのように利用してきたかなどのお話をします。
 また、うまくいけばハチの巣から取れたミツロウでロウソクを作ったり、実際に巣からハチミツをとって食べたりすることもあります。
※ミツロウ…はたらきバチの体から出される、ミツバチの巣をつくる蝋〈ろう〉のこと。

 

 橿原神宮の杜では、たくさんの種類のチョウを観察することができます。7月から8月にはアオスジアゲハがクスノキの新芽〈しんめ〉に卵を産みにやってきます。もちろん、学習中にもいろんなチョウがとんできます。
 また、杜にはクスノキのほかにアラカシやマテバシイなどがたくさん植えられていて、ムラサキシジミ、ムラサキツバメの卵や幼虫、ミカンのなかまの木にはアゲハチョウの卵や幼虫も観察できます。そのほか、チョウの知恵や変わった生態についても学びます。

 

 みなさんは奈良県のシンボルとなっている鳥「県鳥〈けんちょう〉」を知っていますか?この授業では、野鳥に関する身近な話から、生態、自然の中でのほかの動物とのつながりなどについて、写真や羽の実物を使いながら授業を行います。また、境内の深田池ではじっさいにバードウォッチングを行い、野鳥を観察するおもしろさを知ってもらいます。

 

 よく晴れた日の夜、空を見上げるとキラキラと光るたくさんの星を見ることができます。夜空はただ見上げるだけでも美しいですが、天体に関する知識をもって見てみると、またちがった見方ができます。この授業では、さまざまな星のなかまや星座〈せいざ〉についてのお話、天体のちがい、見方や見つけ方をいっしょに学んでいきます。
 林間学園ではじっさいの夜空を見ながらではありませんが、夜空をながめる楽しさを学んでほしいと思います。

 

 橿原神宮の杜にはいろいろな木があります。杜の外にある地面のアスファルトは焼けるように熱くても、杜の中はこかげになっているのですずしく感じられます。杜にはアラカシなどの木々があり、足下の落ち葉やドングリのおかげで、地面を少し掘〈ほ〉るとしめっています。杜の木々が水をたもつ役割をしているからです。また、見上げると、ほとんど空が見えないくらい木々の葉が生いしげり、木々の葉が光を吸収〈きゅうしゅう〉しています。
 この授業では、杜の中で多くみられるアラカシを例に観察や実験を行います。また、森林が橿原神宮にある意味についてお話します。
※木に関するクイズブックを下にご紹介しております。

【クイズブックのつくりかた】
1.下のボタンからPDFデータをダウンロードして、印刷します。(A4判推奨)
2.「ヤマオリ」「タニオリ」「キリトリ」の表示にそって、折り目と切れ込みを入れます。3.折り目の通りに組み立てて完成です。

 

 この授業では橿原神宮の杜に生息する木々について紹介します。授業では実際に広い境内をみんなで歩きながら、木々や植物の名前とその特徴〈とくちょう〉についてお話しします。手でさわったり、においをかいだり、ときにはクイズを出しながら、それぞれの木々や植物がどんな生き方をしているのか理解を深めていきます。
 授業が終わるころには、木の葉っぱの色は緑一色ではなく、それぞれがちがった色に見えてくることでしょう。

 

 植物も動物と同じ生き物です。しかし、植物は動物とちがって自分で生活する場所を変えることはできません。そこで、植物たちは子どもたち(タネ)にとくべつな力を持たせて、新しく生活する場所へと送り出します。風にふかれて飛ぶタネ、動物にくっついて運ばれるタネ、さやがはじけてとびちるタネ、鳥に食べられて運ばれるタネなど、タネの種類は実にさまざまです。授業では、ふしぎなタネのつくりを調べ、タネの模型〈もけい〉をつくって飛ばす実験も行います。

 

 

 大気中の二酸化炭素の増加による「地球温暖化〈ちきゅうおんだんか〉」と植物の「光合成〈こうごうせい〉」のはたらきをまなび、そのまとめとして「葉脈標本〈ようみゃくひょうほん〉」のしおり作りにチャレンジします。また、上皿天秤〈うわざらてんびん〉では正確〈せいかく〉に物の量をはかる方法を学び、それを応用〈おうよう〉する実験として、見ためはとうめいで、ふると青く変化するふしぎな水溶液〈すいようえき〉をつくります。

 

 それぞれの物質には密度があります。物質によって密度がちがうため、密度の大きい物質はしずみ、密度の小さい物質はうく、というげんしょうがみられます。
 この授業では、食塩水のとかす量をかえて、水溶液の密度に変化をつけ、密度が大きい水溶液ほど下にしずむことを体験します。さらに、水溶液には絵の具で色をつけることができるため、色とりどりの層〈そう〉がかさなって、にじ色のような水溶液をつくることができます。
※水溶液のつくりかたの動画を下にご紹介しております。

【カラフル水溶液をつくろう】用意する道具
●食塩
●水
●絵の具(水性)
●スポイト
●ガラス棒・割り箸・ストロー(水溶液を混ぜる道具)
●ビーカー・プラスチックカップ(水溶液を混ぜる容器)
●メスシリンダー・試験管(カラフルな層がわかりやすい容器)

 

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