お知らせ
平成30年02月09日
初しぼりのお神酒「かむやまと」
今週日曜日の紀元祭を間近に控えた2月6日、橿原神宮の御神前にお供えされるお神酒「かむやまと」の初しぼりが享保3年(1718年)創業の老舗・喜多酒造株式会社さまで行われました。
当神宮神職による清祓いが執り行われた後、大変貴重な『袋吊り』と言う製法で行われた初しぼり。『袋吊り』はもろみを酒袋に入れ、自然にしたたるお酒を採集する製法で、無加圧でしぼる為に雑味が無く、日本酒本来の風味が愉しめるしぼり方だそうです。
〈酒袋に入れられ、お酒が採集される「袋吊り」の様子〉
この「かむやまと」は昨年秋に橿原神宮 神饌田で収穫されたお米を使用。収穫された240㎏の玄米を180㎏の白米に磨き上げる等、いくつもの工程を経て美味しいお酒が生み出されます。
「くせの無い、カドの無い、きれいなお酒」と、しぼりたてのお酒を表現されていた喜多酒造さまの、酒づくりに対する想いを語られる様は、まるで我が子の成長を喜ぶ親のようでした。
〈したたり落ちたお酒が少しずつ採集されてゆきます〉
平成30年02月05日
季節の移ろいを感じて
新年を迎え、あっという間にひと月が経過。時の流れは早いもので2月が始まりました。2月は二十四節季で「立春」や「雨水」と表されるように、春の気配を徐々に感じる季節です。
橿原神宮の境内地ではまだ寒々とした風景しか見て取れませんが、社務所 大玄関には一足先に春らしい風景が。
生け替え当初はまだつぼみばかりでしたが、少しずつ花びらが開きつつある「啓翁桜(ケイオウザクラ)」。冷たい空気が張り詰めた大玄関の凜とした立ち姿は、何とも清らかな雰囲気を醸し出しています。
全国的にも寒波が再来。厳しい寒さが今週も続くようですが、少しずつ、着実に季節の移ろいを感じる事ができる今日この頃です。
平成30年01月17日
力作の数々を展示

〈特別賞と特選の作品は壁面へ掲示させていただいております〉
先日行われました橿原神宮席上揮毫書き初め大会(奈良地区大会)の展示が始まりました。
(大阪大会は後日開催)
大会当日は雪が舞う程厳しい寒さに見舞われましたが、1,500名を超える皆様にご参加をいただきました。展示期間中に橿原神宮へ御参拝の際は是非とも、大会参加者の力一杯書き上げられた作品の数々を御覧ください。
※特別賞・特選の作品は壁面へ掲示。準特選・優秀・優良作品は綴りにして会場に設置しておりますので、自由に御覧いただけます。
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【奈良地区大会 作品展覧期間】
1月16日(火)~21日(日)
午前9時~午後4時(場所:橿原神宮拝殿 内廻廊)
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2月1日(木)~7日(水)
午前9時~午後4時(場所:橿原神宮拝殿 内廻廊)
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平成29年12月31日
新年に向け、半年間の罪穢れを払う『歳末大祓』
朝に少し降った雨の為か、気温がぐっと冷え込んだ大晦日。本日は15時より、日常生活の中で知らず知らずに犯してしまった罪穢れを形代に移して身体を清め、正常な本来の姿を取り戻す為の神事である『歳末大祓』が執り行われました。
どなたでも気軽に御参加いただけることもあり、実に多くの方に御参列をいただきました。お寒い中の御参列、誠にありがとうございました。
大祓後の夕刻17時からは「除夜祭」が斉行されます。この一年の国民・国家の平安と安泰を願い、ひいては世界の平和をお守り戴いてきたことへの感謝と、新しい年を迎えるに当たっての御加護をお祈り致します。
その7時間後の午前0時には、新しい年の訪れを告げる「初太鼓」と年末年始の神事が続きます。
平成29年12月10日
葉蘭で始まり葉蘭で終わる(第9回嵯峨御流いけばな紹介)
今年も残すところ二十日あまりとなりました。皆様におかれましては、どのような一年であったでしょうか。
今回、ご紹介させていただく境将甫氏のいけばなは、「葉蘭(はらん)13枚生け」という生け方で、葉蘭のみの花材で潔く生けられた作品です。
様式は、生花(せいか)。花材は、緑濃く色づく葉蘭(はらん)で、花器は、孔雀の彫りが施された金属製の薄端(うすばた)花器。
これまでの境将甫氏のいけばな紹介で、「生花」のいけばなを数回ご紹介させていただきましたが、葉蘭を用いることは、生花の様式の中でも基本であり広く知られる様式だそうです。
境氏はこの作品を生けながら、「生花は葉蘭で始まり葉蘭で終わる」と話されております。その真意は、葉蘭は基礎から応用まで習得できる花材であるからだそうです。
葉蘭は軸が細く、花器に留めるのが難しい花材です。一本一本の葉蘭の葉先に向かう線の美しさを生かしながら、端正な美しさを表現しているのが、この作品の魅力です。
本格的な寒さが続き、夜空に見える星が美しく感じる今日この頃、社務所大玄関にて力強い花姿を見せております。
(嵯峨御流 境将甫氏WEBサイト:蓮林)
